移転先オフィスの物件探しをする前に、希望エリアの市場調査を実行しましょう。最初の段階では、なんとなくイメージが良さそうなエリアや、便利そうなエリアに移転することを考えることも多いと思います。しかし、希望エリアが本当に移転先として最適なエリアかどうかは調査してみないとわかりません。オフィス移転にはコストもかかります。コストをかけてもそのエリアに移転することにメリットがあると思われるところを選びましょう。
希望エリアの市場調査をしてみる
移転先オフィスの物件探しをする前に、希望エリアの市場調査を実行しましょう。最初の段階では、なんとなくイメージが良さそうなエリアや、便利そうなエリアに移転することを考えることも多いと思います。しかし、希望エリアが本当に移転先として最適なエリアかどうかは調査してみないとわかりません。オフィス移転にはコストもかかります。コストをかけてもそのエリアに移転することにメリットがあると思われるところを選びましょう。
①相場
まずチェックしなければならないのは、希望エリアの賃料の相場です。賃料はエリアによって大きく変わります。毎月発生するコストですから、少しの賃料の差でも、大きな違いになります。
オフィスの賃料は、坪単価で表示されるのが一般的です。不動産検索サイトや不動産情報サイトで、希望エリアの賃料の相場を調べましょう。
インターネットに賃料の相場自体が掲載されていることもあります。よくわからなければ、希望条件から物件を検索してみると、だいたいの相場を把握することができるでしょう。
同じ駅周辺のエリアでも、駅からの距離が変わると賃料の相場も大幅に変わることがあります。駅近くの物件の相場だけを確認して高すぎると思ったとしても、範囲を広げて物件をチェックしてみた方がよいでしょう。
今よりも広いオフィスを借りても、賃料が安ければ、毎月かかるコストを下げられます。コスト的なメリットを重視したいなら、賃料の安いエリアがどこかをしっかり把握しておきましょう
②多い業種
希望エリアにどんな業種のオフィスがあるのかも確認しておく必要があります。希望エリアがいくつかある場合には、エリアごとに、どんな業種の会社が多いのか、多いものから順にリストアップしてみるとよいでしょう。
それぞれのエリアで多い業種がわかれば、そのエリアにおける顧客のニーズも把握できることがあります。それぞれの会社が、そのエリアで何年くらい営業しているかも調べておきましょう。取引先となる可能性がある業種の会社があるかどうかも重要です。移転先にどんなオフィスがあるかはインターネットでも調べられますから、時間をかけて市場調査をしましょう。
希望エリアに同業種の会社があるかどうかもチェックしておくのがおすすめです。同業種の会社の業績が好調であれば、そのエリアで営業することにメリットがあると考えられるでしょう。一方で、顧客の取り合いになってしまい、競争に勝てない可能性もあります。同業種の企業動向も確認しておきましょう。
③アクセス
希望エリアのアクセスも重要なチェックポイントです。移転先オフィスを探すときには、最寄り寄駅からの距離だけでなく、ターミナル駅からのアクセスについても確認しておいた方がよいでしょう。
アクセスについては、顧客にとってのアクセスと、社員にとってのアクセスの両方を考えておかなければなりません。
顧客が遠方からの訪問することが多い場合には、空港からのアクセスも大事です。車での訪問が想定される場合には、高速道路の出口からのアクセスが良好な方がよいでしょう。近くの駐車場の料金の相場も確認しておきたいものです。
移転先オフィスのアクセスは、社員の通勤にも影響してきます。オフィス移転により社員の通勤距離が長くなれば、その分会社が支払う通勤交通費が増えてしまいます。オフィスの賃料が安くなっても、通勤交通費が増えてしまえば、コスト削減効果が薄くなります。通勤は毎日のことですから、社員の通勤の利便性に配慮することは重要です。
④空室率
東京などの都心エリアでは2020年のオリンピックに向けてオフィスビルの空室率は低くなってます。
東京エリア全体を見ても全体の97%以上のオフィスビルが埋まっている状況です。
その中でも「虎ノ門」や「渋谷」などは空きビル自体がほとんどなく、坪単価も非常に高くなっています。さらに、都心の再開発の影響で大規模ビルの立て直しも多くなっています。
市場調査を行う場合は無理に今空いているオフィスから選ぶのではなく、これから建設・竣工予定のビルを含めて空き状況の発表をチェックしてみると良いでしょう。
エリアによって坪単価が変わる
移転先オフィスを探すときに、どこのエリアで探すかによって、コスト的な差が大きくなることがあります。オフィスの賃料は、エリアによって大きく変わってくるからです。もちろん、築年数やビルの設備などの条件によっても賃料は変わります。オフィス移転によりコスト削減効果を得たいなら、できるだけ賃料の安いエリアで物件探しをするのが効率的です。
オフィスの賃料は、一般に、坪単価で表されます。坪単価に面積をかけたものがオフィスの賃料ということです。同じ面積のオフィスでも、エリアが違うと賃料にかなり差が出ることがあります。まずは、希望エリアの坪単価を確認しましょう。
エリア別の坪単価は、インターネットでも調べられます。よくわからない場合には、不動産会社に直接聞いてみるとよいでしょう。坪単価は時期によっても変わります。インターネットの情報は、古いことがあります。直接業者に問い合わせれば、最新の坪単価がどれくらいかを教えてもらえるでしょう。
契約期間内に賃料が上がることも
オフィス移転によってコスト削減を狙うなら、移転希望エリアの市場調査をすることは重要です。しかし、それで必ず安心できるわけではないことも認識しておきましょう。
オフィスの賃料は、契約後に上がることもあるからです。オフィスの賃料の相場が大幅に変われば、賃料の見直しが行われることがあります。
賃貸借契約を結ぶときには、賃料の変更に関する内容についてもチェックしておきましょう。賃料が上がるのは、一般に契約更新のときになります。契約期間が短ければ、すぐに賃料が上がってしまう可能性もあります。
オフィスの賃料は、交渉により下げてもらうことも可能です。坪単価の相場を考えてもオフィスの賃料が高い場合には、賃料の交渉をしてみるようにしましょう。賃料自体が下がらなくても、一定期間賃料を無料にしてもらうフリーレント契約ができることもあります。不動産業者やオフィス移転業者に依頼する場合には、賃料の交渉が任せられるかどうかも確認しておきましょう。