移転後に気づいて後悔しないために
統計によると「オフィスの平均入居年数は6.78年」というデータが出ています。オフィス移転の費用は高額で数年単位でできるものではありませんので、移転後に公開することのないよう、移転先の設備や周辺施設の確認は念入りに行うようにしましょう。
空調設備
オフィス移転の際は移転先の空調設備を確認しましょう。
個人型空調方式・・・室内の空調管理を区画ごとに操作できる方式です。同じフロアでも日当たりや風通りによって室内の温度は変わります。個人型空調であれば部屋の温度に合わせて空調を変更できます。料金は変動料金制になる場合いが多く、コスト面では割高になる傾向があります。
セントラル空調方式・・・ビル全体の空調をビル管理者側で一括管理をする方式です。金額は管理費として定額料金になり、比較的割安になる傾向があります。セントラル空調方式では運転時間も管理されるケースが多いので、土日出勤や早朝や深夜の勤務がある場合は事前に確認する必要があります。
床(OAフロア・フローリング)
最近ではIT企業に限らず一般企業でもインターネット環境は必須になりますので、電話回線や電源・無線などのケーブルを床に収納できるOAフロア(二重床)にすることをおすすめします。ビルによっては基本設計の時点でOAフロアになっている場合もありますが、通常のフローリングのビルもあります。
電気系統
賃貸オフィスの場合は区画ごとに電気容量が決まっています。サーバーなど電気容量の大きい機器を導入する予定がある場合は、事前に確認しておくと良いでしょう。ビルによっては電気容量の増設工事ができない場合もあります。また、レイアウトを考える際には電気系統の確認も行いましょう。電源を1つのコンセントに集中させると、ブレーカーが落ちる原因となります。
トイレ
最近のビルでは男女共用のトイレはほとんどありませんが、古いビルでは東京都内でも珍しくありません。来客がない企業だとしても、従業員としては気になるポイントです。
また、また、採用活動を行っている企業にとっては、ビルの外観や内装は求職者が企業を比較するポイントにもなります。
会議室がない場合は近くの貸し会議室の利用も
パーテーションや内装工事を行って会議室を作ることも可能ですが、最近では都内を中心に貸し会議室の数も増えているので、あえて自社内に作らずに、必要に応じて貸し会議室やカフェを利用する企業も多くなっています。
電波状況も確認
意外と見落としやすいポイントが携帯電話の電波状況です。最近では格安SIMが普及してきて、大手キャリア以外を使用している方も多いと思います。高層階になるにつれて電波の状況は悪くなります。目安としてMVMOと呼ばれる大手キャリアから回線を借りている通信サービスでは15階以上になると電波が繋がりづらいと言われています。