いろいろ聞いてみる

居抜き・セットアップ

オフィス移転で総務がやること一覧|15ヶ月前からの時系列タスク表

オフィス移転で総務がやること一覧|15ヶ月前からの時系列タスク表

「オフィス移転のプロジェクトリーダーを任されたけれど、何から手をつければいいのか分からない」。そう感じている総務担当者の方は少なくありません。移転は1年以上にわたる大きなプロジェクトで、しかも通常業務と並行して一人で背負うケースがほとんど。不安になるのは当然です。この記事では、移転15ヶ月前から移転後の行政手続きまでを時系列で整理し、期限のある届出も含めてチェックリスト化しました。順番に一つずつ潰していけば、初めてでも移転は必ず乗り切れます。落ち着いて、全体像から確認していきましょう。

オフィス移転で総務が担うタスクの全体像

オフィス移転で総務がやることは膨大に見えますが、性質ごとに分類すると一気に整理しやすくなります。まずはタスクの分け方と、必要な期間、自社対応と外注の線引きから押さえていきましょう。

総務のタスクは5領域に分けて考える

移転タスクを闇雲にリスト化すると、量に圧倒されて何が重要か分からなくなります。おすすめは、次の5領域に分けて捉える方法です。

  • 旧オフィス関連:解約予告、原状回復、什器の処分など
  • 新オフィス関連:物件選定、レイアウト設計、内装工事など
  • インフラ関連:ネットワーク、電話、複合機、セキュリティの手配
  • 行政手続き関連:移転登記、税務署・社会保険・消防などの届出
  • 社内・対外調整:従業員への周知、取引先への通知、名刺やHPの変更

この5つの箱に、思いついたタスクを放り込んでいくだけで、抜け漏れが見えやすくなります。以降の章もこの分類に沿って進めていきます。

移転準備に必要な期間の目安

「移転はいつから準備を始めればいいのか」。これは多くの担当者が最初に抱く疑問です。結論から言うと、規模にもよりますが本格的な準備は移転の1年〜1年3ヶ月前から始めるのが安心です。

理由は、旧オフィスの解約予告が「6ヶ月前まで」と定められている賃貸借契約が一般的だからです。物件を探し、契約し、内装工事を経て引っ越すまでには、想像以上に時間がかかります。特に50名を超える規模になると、レイアウト設計や配線工事だけで数ヶ月を要します。早すぎて困ることはほとんどありません。「まだ早いかな」と思うくらいの段階で動き出すのが正解です。

自社対応と外注(BPO・ワンストップ業者)の線引き

すべてを自分一人で抱え込む必要はありません。通常業務と並行して進める以上、外注できる部分は外注するのが現実的です。

近年は、物件探しから内装、引っ越し、原状回復までをまとめて請け負う「ワンストップ型」の移転業者や、総務業務そのものを代行するBPOサービスも増えています。判断基準はシンプルで、「社内の判断や責任が伴う業務は自社、手を動かす作業は外注」と線引きするとブレません。物件の最終決定や従業員への説明は自社、内装工事の施工管理や引っ越し当日の搬入は外注、といった具合です。一人で全部やろうとして倒れるより、頼れるところは頼りましょう。

【時系列】移転までのタスクスケジュール

ここからが本題です。移転当日から逆算して、いつ何をやるべきかを時系列で並べました。この表を「マイルストーン」として手元に置き、フェーズごとに確認していくと迷いません。

時期主なタスク 
13〜15ヶ月前現状分析・移転目的の整理・旧オフィスの解約予告
6〜12ヶ月前新オフィス選定・レイアウト設計・業者選定
3〜5ヶ月前内装工事・インフラ手配・引っ越し業者決定
1〜2ヶ月前社内周知・備品発注・行政手続きの準備
移転当日搬入・レイアウト確認・インフラ稼働チェック
移転後移転登記・各種住所変更・行政届出

移転13〜15ヶ月前:現状分析と旧オフィスの解約予告

最初にやるべきは「なぜ移転するのか」を言語化することです。手狭になった、賃料を下げたい、働き方を変えたい。目的が定まると、その後の物件選びやレイアウトの判断軸ができます。

同時に着手したいのが、旧オフィスの賃貸借契約書の確認です。解約予告の期限を見落とすと、退去が遅れて余分な賃料が発生します。多くのオフィス賃貸では「6ヶ月前までに書面で通知」と定められています。この時期に契約内容を確認し、解約通知のタイミングを逆算しておきましょう。現状の座席数や什器の量、来客頻度なども棚卸ししておくと、新オフィスの要件が明確になります。

移転6〜12ヶ月前:新オフィス選定・レイアウト・業者選定

要件が固まったら、物件探しを本格化させます。立地、面積、賃料、ビルの設備条件(電気容量や空調、入居可能時間など)を比較検討します。候補が絞れたら内見し、レイアウトが実現できるかを確認します。

並行して、内装業者や引っ越し業者の情報収集も進めます。この段階で複数社から見積もりを取り、比較しておくと後で慌てません。物件の申し込みから契約までは意思決定に時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。レイアウトの大枠(部門配置や会議室の数)もこの時期に方向性を決めておきます。

移転3〜5ヶ月前:内装・インフラ・引越し業者の手配

契約が済んだら、実務が一気に動き出します。内装工事の設計を確定させ、着工します。並行して、ネットワーク回線の開通手配、電話番号の移転、複合機のリース契約変更、セキュリティ機器の設置などを進めます。

特にネット回線と電話は開通までにリードタイムが長いため、この時期の手配が遅れると移転当日に業務が止まります。プロバイダや通信キャリアへの申し込みは早めが鉄則です。引っ越し業者もこのタイミングで正式に発注し、搬出入の日程を押さえます。什器を新調する場合は、納期を確認して発注しておきましょう。

移転1〜2ヶ月前:社内周知・備品発注・行政手続き準備

移転が現実味を帯びてくるこの時期は、社内外への周知が中心になります。従業員には新住所、移転日、引っ越し当日の動き(私物の梱包ルールなど)を早めにアナウンスします。取引先への移転案内状の準備も進めます。

消耗品や新しい備品の発注、座席表の作成、入退室カードの手配なども済ませておきます。行政手続きは移転後に行うものが多いですが、必要書類のフォーマットや提出先をこの段階で一覧化しておくと、移転後にスムーズです。届出には期限が短いものもあるため、事前準備が肝心です。

移転当日:搬入・レイアウト確認・インフラ稼働チェック

いよいよ当日です。総務は現場の司令塔として立ち回ります。搬入の立ち会い、什器の配置がレイアウト図通りか確認し、指示を出します。

最も重要なのがインフラの稼働チェックです。ネットワークがつながるか、電話が発着信できるか、複合機が動くか、入退室システムが機能するかを、実際に触って確認します。「翌営業日に出社したらネットが使えなかった」というトラブルは実際によくあります。当日中に必ず通信テストまで完了させましょう。旧オフィスの明け渡しと鍵の返却も忘れずに。

旧オフィスで総務がやること

新オフィスの準備に気を取られがちですが、旧オフィス側の対応を怠ると思わぬ出費につながります。解約と原状回復まわりは特に注意が必要です。

解約予告と原状回復の範囲確認

前述の通り、解約予告は書面での通知が原則です。通知の方法や宛先も契約書で確認しましょう。

あわせて重要なのが原状回復の範囲です。「どこまで元に戻す義務があるのか」は契約や物件によって異なります。入居時に施した内装や配線をすべて撤去するのか、一部は残してよいのか。認識のズレがトラブルの元になります。貸主や管理会社と早めにすり合わせ、書面で範囲を明確にしておくと安心です。

不用品・什器の処分とデータバックアップ

使わなくなった什器や書類の処分も総務の仕事です。デスクやキャビネットは、産業廃棄物として処理するか、買取業者に引き取ってもらう方法があります。まだ使えるものは売却すれば、処分費用を抑えられます。

忘れてはいけないのがデータのバックアップと情報機器の適切な処分です。複合機のハードディスクや古いPCには社内情報が残っています。データを消去せずに廃棄すると情報漏えいのリスクがあります。専門業者による消去証明を取っておくと確実です。

預託金・原状回復費のトラブル回避

オフィスの賃貸では、賃料の数ヶ月〜十数ヶ月分の保証金(預託金)を預けているのが一般的です。退去時にはここから原状回復費が差し引かれて返還されます。

トラブルになりやすいのが、原状回復費の見積もりが想定より高額になるケースです。貸主指定の業者だと割高になることもあります。契約で「借主が業者を選べるか」を確認し、可能なら相見積もりを取りましょう。返還時期や金額も事前に確認しておくと、資金計画が立てやすくなります。

新オフィスで総務がやること

新オフィスは、これからの働き方を左右する場所です。レイアウトからインフラ、消防関連の届出まで、押さえるべきポイントを整理します。

レイアウト設計と業務動線の見直し

レイアウトは、単に机を並べるだけの作業ではありません。人の動線、コミュニケーションの活性化、集中スペースの確保など、業務効率に直結します。

部門間の連携が多いなら近くに配置する、来客動線と社員動線を分ける、Web会議用の個室を設けるなど、現場の働き方を反映させましょう。移転は動線を見直す絶好の機会です。旧オフィスで不便だった点を洗い出し、現場の声も聞きながら設計すると、満足度の高いオフィスになります。消防法上、避難経路の確保も必須条件です。

通信・ネットワーク・セキュリティの手配

インフラは移転業務の生命線です。インターネット回線、社内LAN、Wi-Fi、電話、複合機、サーバー環境を新オフィスで整えます。

回線工事は申し込みから開通まで1〜2ヶ月かかることもあるため、早めの手配が欠かせません。あわせて、入退室管理システムや防犯カメラなどのセキュリティ機器も設置します。情報セキュリティの観点では、配線ルートやサーバーの設置場所も検討事項です。IT担当者がいる場合は連携し、いない場合は通信業者やシステム会社に相談しながら進めましょう。

防火対象物使用開始届など消防関連の届出

意外と見落とされがちなのが消防関連の届出です。一定規模のオフィスに入居する際は、「防火対象物使用開始届出書」を使用開始の7日前までに管轄の消防署へ提出する必要があります。

また、内装工事の内容によっては「防火対象物工事等計画届出書」を工事着手の7日前までに提出するケースもあります。届出を怠ると是正指導の対象になることがあります。内装業者が代行してくれる場合もあるので、誰が届出を担当するのかを工事契約時に確認しておきましょう。

移転後にやる行政手続き・住所変更一覧

移転が終わっても、まだ気を抜けません。住所変更に伴う行政手続きには期限の短いものが多く、遅れると手間や不利益が生じます。提出先と期限をまとめて確認しましょう。

本店移転登記(2週間以内)と税務署への届出

会社の本店(本社)を移転した場合、移転日から2週間以内に法務局で本店移転登記を行う必要があります。期限を過ぎると過料が科される可能性があるため要注意です。管轄の法務局が変わる移転では、書類の準備が増えるので早めに動きましょう。

登記が済んだら、税務署へ「異動届出書」を提出します。都道府県税事務所や市区町村への届出も必要です。移転登記後の登記事項証明書が必要になる手続きもあるため、順番を意識して進めます。

社会保険・労働保険の変更手続き(5日以内など)

従業員に関わる手続きも期限が厳格です。代表的なものを挙げます。

  • 健康保険・厚生年金保険:適用事業所名称/所在地変更届を、変更から5日以内に年金事務所へ
  • 労働保険:労働保険名称・所在地等変更届を、変更から10日以内に労働基準監督署へ
  • 雇用保険:事業主事業所各種変更届を、変更から10日以内にハローワークへ

いずれも数日単位の期限です。移転前に書類を準備し、移転後すぐ提出できる状態にしておくと安心です。労働基準監督署へは、事業所の移転に伴い適用事業報告なども確認しておきましょう。

名刺・HP・社判・取引先通知など対外的な変更

行政手続きと並行して、対外的な情報更新も進めます。名刺、会社案内、封筒、ゴム印や社判の住所変更、ホームページやSNSの所在地情報、Googleビジネスプロフィールの更新などです。

取引先への移転通知は、できれば移転前に案内状やメールで済ませておくとスムーズです。請求書や契約書の送付先住所も更新が必要になります。銀行、郵便局(転送届)、リース会社、各種サブスクリプションの登録住所も忘れずに変更しましょう。細かいですが、抜けると業務に支障が出ます。

総務が漏らしやすいタスクと注意点

ここまで網羅的にタスクを見てきましたが、経験者でもうっかり漏らしがちなポイントがあります。先回りして注意点を押さえておきましょう。

解約予告期間・原状回復の見落とし

最も多いのが解約予告のタイミングのミスです。「6ヶ月前通知」を見落とすと、新オフィスに移った後も旧オフィスの賃料を払い続ける二重家賃が発生します。金額は数百万円規模になることもあります。契約書の確認は、移転を考え始めた最初の段階で必ず行いましょう。原状回復の範囲も、退去直前に「これも撤去が必要」と言われて費用が膨らむケースがあります。早めのすり合わせが防御策です。

行政届出の期限超過リスク

本店移転登記の2週間、社会保険の5日など、行政手続きは期限が短いものが集中します。移転直後は現場対応に追われて後回しになりがちですが、期限超過は過料や手続きの煩雑化につながります。移転前に「いつまでに・どこへ・何を出すか」の一覧を作っておくと、抜け漏れを防げます。この記事の行政手続き一覧を、そのままチェックリストとして活用してください。

移転当日にインフラが使えないトラブル

「初日に出社したらネットも電話もつながらなかった」。これは移転で最も起こりやすいトラブルの一つです。原因の多くは、回線工事の手配遅れや、当日の稼働確認不足です。回線は開通までのリードタイムが長いため早めに申し込み、移転当日には必ず通信テストまで完了させましょう。複合機やセキュリティ機器も、実際に動かして確認することが大切です。

抜け漏れを防ぐチェックリストの使い方

タスクが多い移転では、頭の中だけで管理するのは不可能です。チェックリストを味方につけることで、一人でも確実にプロジェクトを進められます。

フェーズ別チェックリストの活用法

チェックリストは、時期(フェーズ)ごとに分けて作るのがコツです。この記事の時系列スケジュールをベースに、「15ヶ月前」「6〜12ヶ月前」といったフェーズごとにタスクを並べ、担当者と期限を書き添えます。

スプレッドシートで作れば、進捗の共有や更新も簡単です。完了したものにチェックを入れていくと、達成感も得られてモチベーションが保てます。面倒に感じるかもしれませんが、最初にリストを作ってしまえば、あとは順番に潰していくだけです。一つずつ消えていく感覚が、不安を安心に変えてくれます。

移転を働き方改革・ブランディングの機会に変える

移転はタスクをこなすだけの作業ではありません。会社の働き方やブランドを見直す絶好の機会でもあります。

フリーアドレスの導入、集中ブースやリフレッシュスペースの設置、Web会議に対応した設備など、新しい働き方に合わせた空間づくりができます。オフィスのデザインは、来訪する取引先や採用候補者に対する企業ブランディングにもつながります。「大変なプロジェクト」を「会社を良くするチャンス」と捉え直すと、取り組む意義も見えてきます。せっかくの移転を、前向きな変化の起点にしましょう。

よくある質問

この記事に関してよく寄せられる質問をまとめました。

オフィス移転の準備はいつから始めればいいですか?

規模にもよりますが、移転の1年〜1年3ヶ月前から本格的に準備を始めるのが安心です。旧オフィスの解約予告が「6ヶ月前まで」と定められている契約が多く、物件探しから内装工事、引っ越しまでには想像以上に時間がかかるためです。「まだ早いかな」と思う段階で動き出すのが正解です。

本店移転登記の期限を過ぎるとどうなりますか?

本店移転登記は移転日から2週間以内に行う義務があり、期限を過ぎると過料(罰金に相当する行政上の制裁金)が科される可能性があります。移転直後は現場対応で忙しくなりがちなので、必要書類を事前に準備し、優先的に手続きを進めましょう。

移転タスクはすべて総務が一人でやるべきですか?

その必要はありません。物件の最終決定や従業員への説明など判断が伴う業務は自社で行い、内装工事や引っ越し作業など手を動かす部分は外注するのが現実的です。物件探しから原状回復までを一括で請け負うワンストップ型の移転業者や、総務業務を代行するBPOサービスの活用も検討しましょう。

移転当日に必ず確認すべきことは何ですか?

インフラの稼働チェックが最も重要です。ネットワーク、電話、複合機、入退室システムが実際に機能するかを、当日中に触って確認してください。回線工事の遅れや確認不足で「初日にネットが使えない」というトラブルが起こりやすいためです。旧オフィスの鍵の返却と明け渡しも忘れずに行いましょう。

解約予告を見落とすとどんなリスクがありますか?

解約予告期間(多くは6ヶ月前)を見落とすと、新オフィスへ移った後も旧オフィスの賃料を払い続ける「二重家賃」が発生します。規模によっては数百万円の損失になることもあります。移転を検討し始めた最初の段階で、必ず賃貸借契約書の解約条件を確認してください。

まとめ:時系列で潰せば移転は乗り切れる

オフィス移転で総務が担うタスクは膨大ですが、時系列に沿って一つずつ潰していけば、初めての担当者でも必ず乗り切れます。最後に、重要なポイントを振り返りましょう。

  • タスクは「旧オフィス・新オフィス・インフラ・行政手続き・社内外調整」の5領域に分けて整理する
  • 本格的な準備は移転の1年〜1年3ヶ月前から。解約予告の期限確認を最優先に
  • ネット回線や電話はリードタイムが長い。早めの手配と当日の稼働チェックを徹底する
  • 本店移転登記は2週間以内、社会保険は5日以内など、行政手続きは期限が短い
  • フェーズ別チェックリストで進捗を管理し、抜け漏れを防ぐ

まずはこの記事のスケジュール表を手元にコピーし、自社の移転日から逆算したチェックリストを作るところから始めてみてください。一人で抱え込まず、外注できる部分は頼りながら、移転を会社の働き方を良くするチャンスに変えていきましょう。順番に進めれば、大丈夫です。

一覧ページへ

物件に関してのお問い合わせ

「失敗しないオフィス移転サポート」物件探しから移転までスムーズで担当者様がとにかく楽になるサービスです。

050-7587-0049平日 9:00~18:00

メールでお問い合わせ

おすすめ物件(エリア)

おすすめ物件(条件)

オフィス移転

特集記事一覧